基本定義
MTMC(Multi-Target Multi-Camera Tracking)とは、複数のカメラに分かれて映った動きをひとつにつなぎ、多数のオブジェクトを店舗全体の空間で連続して追跡するコンピュータビジョン技術です。1台のカメラの死角を別のカメラが補い、入店から退店まで途切れない動線をつくります。
なぜ1台では足りないのか
1台のカメラだけでは店舗全体を捉えられません。売り場の裏、コーナー、通路の突き当たり、カメラごとに死角があり、あるカメラから消えた客が別のカメラに再び現れます。画面単位で見ると、動線は分断されたままです。
MTMCは、この断片をつなぎ合わせます。各カメラの映像を店舗平面図というひとつの座標系に投影し、匿名化された特徴で同一オブジェクトをカメラの境界を越えて連結します。その結果、「入店→売り場A→売り場C→レジ」のように、店舗全体を貫く動線がつくられます。
店舗分析での活用
途切れない動線は、ゾーン単位の分析の土台です。あるゾーンから別のゾーンへどれだけ移動しているか、どの経路が代表動線か、どこで足が途切れるかは、いずれもMTMCが前提になって初めて正確になります。
空間が大きいほど効果は大きくなります。展示空間・大型スーパー・物流拠点のように数十台のカメラが必要な場所で、MTMCは空間全体の流れを1枚の地図にまとめます。
SAAIでの活用
DEEPINGSOURCEのSpatial AIは、MTMCによって複数のカメラ映像を平面図座標上に統合します。個別のカメラではなく店舗全体を基準に動線・滞在・ゾーン間の移動を読み取るため、saai insightの代表動線・ゾーン間の通行量といった分析が可能になります。すべての追跡は、入力時点で匿名化されたデータの上で行われます。
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